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退職金規定・適格年金の見直し


 

退職金規定の見直し
退職金規定の見直しに当たっては経営戦略上のコンセプトを考えておくことが大切です。すなわち、制度見直しにあたっての基本方針を決定しておけば、具体的な検討過程で迷った時も判断がぶれずに意思決定できます。また、最終的に従業員に説明する時も筋道の立った説明を行うことができます。コンセプトとしては次のようなものが考えられます

①支給水準を減額したい

②容易な制度運用にしたい

③積立不足を解消したい

④年功的な退職金制度を見直したい

⑤在職中の貢献度を退職金に反映させたい

⑥確定拠出か確定給付かで迷っている

⑦制度を撤廃したい

そして、実際の見直しに当たっては、退職金制度と資金準備方法の両面から順序立てて検討する必要があります

退職金倒産にならない為に
賃金制度や人事制度に多少不具合があったとしても、会社が潰れることはありません。しかし、退職金制度は違います。退職金制度は最悪の場合、会社を潰す可能性がある経営上のリスクとして認識してください。
退職金を引き下げたいが可能か?
労働条件の不利益変更に当たるため、原則として、労働者の個々の同意(労働組合員については労働組合の同意)を得れば、実施可能です。
年功的な退職金制度から在職中の貢献度に応じた退職金制度への移行(ポイント制退職金制度)
最近は多くの企業が在職中の貢献度の差を退職金の支給に反映させる「ポイント制退職金制度」を採用しています。多くの中小企業で採用されている年功的な退職金制度は退職時の基本給をベースにしている場合が多く、コスト増につながっています。                                                                 「ポイント制退職金制度」のメリットは、退職金の計算方法が基本給と完全に切断されているため従業員のモチベーションアップが期待できます。
適格退職年金が廃止されます
現在に適格退職年金は平成24年3月31日までに実質的に廃止になりなす。適格退職年金は企業が従業員の退職金を準備するための社外準備制度のひとつです。一定の要件を満たすことで、保険料、掛け金を損金算入することが認められています。簡単に言うと税制優遇された退職金積立制度ということです。適格退職年金について重要視しているのは、適格退職年金を導入した企業では「退職年金既定」を作成し、労働基準監督署に届出をしている点です。これにより、従業員には退職年金既定に基づく退職年金又は一時金を受ける権利が発生し、企業には支払う義務が生じます。また、退職年金既定は適格退職年金を解約した後も残ります。また、以下の問題が生じていると考えられます

①積立不足の問題

適格退職年金の多くの予定利率は5.5%です。ただ、ここ数年の株価の低迷により予定利率を下回る実績によって、巨額の積立不足が生じているのが現状です。積立不足の解決は不足分を企業が負担するか、退職金の支給水準を引き下げるか、又はその折衷案しか方法はありません。

不利益変更の問題

退職金の支給水準の引き下げは、労働条件の不利益変更になる為、その理由、手順、既得権の保護、従業員の個別同意など高いハードルをクリアしなければなりません。

③従業員のモチベーションの問題

不利益変更の問題をクリアしたとしても、従業員のモチベーションが下がるという問題が待ち構えています。適格退職年金を退職金制度改革の機会ととらえ、新たな退職金制度がモチベーションアップにつながる仕組みにしたいものです。

適格退職年金の移行先は?
適格退職年金の移行先の企業年金制度としては

①中小企業退職金共済

②確定拠出年金

③確定給付企業年金

の3つが実質的な移行先と考えられますが、いずれにしても積立不足の解消や労使の合意は必要になってきます。適格退職年金を導入している企業は早い段階で自社の年金制度改革に取り組まなければ積立不足の傷口は拡大します。

中小企業退職金共済へ移行するメリット
① 適格退職年金で積み立てた資金の全額を中退共に移管することができます。移行時に積立不足を穴埋めする必要もありません。

② 中退共は、厚生労働省の特殊法人であり、破綻するリスクが小さいといえます。

③ 中退共は、会社の退職金規定に関与しません。

当事務所では決算書からは把握できない積立不足を明らかにして、適格年金からの移行先を決定し、必要があれば、退職金規定の変更・労働基準監督署への届け出までを行います。

当事務所の退職金制度設計の流れ
退職金は「制度の設計」と「賃金の積立」の両面から作ります。特に「能力や貢献度を重視した設計」や「無理のない利回りの良い積立方法」を重点に考えます。また、制度改定の場合は、適格年金の解約や労働債権の扱いに注意します。

① 現状分析と問題点の把握

a.企業年金分析(積立資産の把握)

b.退職金制度分析(設計上の問題点)

② 新しい退職金制度の構築

a.新退職金制度の構築(ポイント制退職金制度の構築と個人別シュミレーション)

b.適格年金の解約準備(個人持分確定と解約処理手続き)

③ 積立制度の構築

a.中小企業退職金共済制度や各種企業年金の選択

b.会社の体力、収益見込みの確認

④ 従業員への説明

a.新退職金の制度説明

⑤ 退職金規定・就業規則の作成

⑥ 労働基準監督署への届け出

a.就業規則変更届

b.従業員代表意見書

c.労働基準監督署長の受理

d.従業員への周知

以上の様な流れで制度設計致します。


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